Q 私は、亡き父の家業である八百屋を20年にわたり共同で経営して、父の財産を大きくしてきました。サラリーマンとして外で働いている兄や嫁に出た妹と同じ取り分ということは納得がいきません。何か法律上の制度はないのでしょうか。
A 「寄与分」の主張が考えられます。
寄与分とは、被相続人の生前に、その財産の維持または増加に特別の寄与貢献をした相続人に与えられるものです。
寄与分は遺産分割の対象である相続財産には含まれないので、寄与分がある場合は、相続財産の中から寄与分を別個に切り離して、残りの財産を分割して相続することになります。
寄与分が認められた相続人は、相続分に加えて寄与分を受け取ることになります。 寄与分が認められるのは相続人だけです。なお、寄与分について合意ができない場合には、家庭裁判所において、調停という手続きでこれを定めることになります。