Q 生前に、被相続人から多額の資金援助などを受けていた場合には、その分を相続の際に、考慮されると聞いたことがあります。具体的にはどのような制度なのでしょうか。
A 弁護士による回答:今回の相続のご相談は、遺産分割、遺留分、遺言の実現の場面などで考慮される、「特別受益」と呼ばれるものです。
弁護士による相続解説:相続は、それぞれの立場に応じて、公平に行われることになりますが、相続人の中の一部の方が、被相続人の生前、他の相続人と異なり特別な受益を得ていたような場合には、それを相続の際にも反映させることが必要になります。そのために設けられた制度が「特別受益」とよばれるものです。反対の制度として「寄与分」があります。
【特別受益の例】
・被相続人から遺贈を受けた
・相続開始前被相続人から結婚、大学入学などの際に贈与受けた
※「特別」な受益である必要があるため、他の相続人が同じように受益を受けている場合には、「特別受益」として扱われません。
特別受益者の相続分は、みなし相続財産を算出し、これに法定相続分の割合により計算した額から特別受益分を既に渡した分として差し引いた額になります。
遺言がある場合の相続は、基本的に遺言に従うことになりますが、特別受益があるような場合には、遺言の内容が修正されることがあります。
弁護士法人ベストロイヤーズ法律事務所 (千葉)
弁護士大隅愛友 (おおすみよしとも)