相続FAQ

遺言の存在と遺産分割

 私は、遺言の作成を考えておりますが、遺言を作成するメリットとして、相続が開始したのちに、相続人が遺産分割手続きを行う必要が無いと聞いたことがあります。遺産分割手続きを行う必要がないとはどのようなことなのでしょうか。

 遺言を作成するメリットとして、相続人の方が相続開始後に遺産分割手続きを経る必要がなくなるとはよく言われることです。もっとも、遺言の方式、内容によっては、せっかく遺言を作成しても、遺産分割を行う必要がある場合がありますので、注意が必要です。

●遺言があるのに遺産分割を行分ければならなくなる例

遺言が無効な場合(全部無効。遺言者に遺言能力がない(高齢、病気のため)。方式違反(法律で定めれられた方式に違反して作成されたもの)等) →遺言がないものとして、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。

・遺言の内容が遺留分を侵害するものである場合 → 遺留分侵害請求を受けると、その侵害部分の扱いについて、受遺者と請求者において協議を行う必要があります。

・遺言が、相続分しか指定していないような場合 → 相続人が具体的に遺産分割を行う必要があります。

せっかく作った遺言が無断にならないよう、遺言の作成の際には、専門家である弁護士に相談しながら進めることをお勧めします。