相続FAQ

生前の贈与と特別受益(仕送り)|弁護士による相続相談

 私は体が病弱なこともあり、亡き母から20年間、毎月10万円の仕送りを受けていました。兄はそのような仕送りは受けていません。これまでの仕送りも遺産分割の際に考慮されますか。

 弁護士による回答:今回の相続のご相談は「生前贈与(仕送り)と特別受益」です。仕送りは、対価的な関係がないため、(生前の)贈与として、「特別受益」に該当し、遺産分割の際に考慮される可能性があります。

被相続人からの生前の贈与などがすべて特別受益に該当するわけではありません。一般的には、「生計の資本としての贈与」は特別受益に該当するとされます。

今回のご相談も亡きお母様からの仕送りが、特別受益の対象となる生前贈与に該当するかは、相続人であるお兄様への仕送りの有無、金額や送金した側・された側の収支状況によって決まります。

多数の相続のご相談が寄せられるベストロイヤーズ法律事務所においても、特別受益、寄与分については、遺産分割の際に合わせてご相談されることが多いものといえます。

弁護士による相続解説:仕送りが特別受益に該当するとしても、送金された額すべてを特別受益とするのではなく、事例として、送金の一部だけを特別受益の対象となる贈与と規定した裁判例があります。

特別受益や寄与分の扱いについては、相続人同士では話し合いがまとまらないことが多く、また、専門的な判断が必要となりますので、ぜひ弁護士にご相談されることをお勧めします。

 

弁護士法人ベストロイヤーズ法律事務所(千葉)
弁護士大隅愛友(おおすみよしとも)