Q 遺言の方式として、通常のものと異なり、生命の危機などの際に認められる形式の遺言があると聞いたことがありますが、それはどのようなものなのでしょうか。
A 民法では、「普通方式」の遺言に対して、「特別の方式」によるものとして4種類の遺言があります。
1. 疾病等により死亡の危急に迫った者の遺言
2. 伝染病で隔離された者の遺言
3. 船舶中にある者の遺言
4. 遭難船中で死亡の危急の迫った者の遺言
これらは、普通の方式による遺言と異なり、いずれも遺言者が急迫の状況にある場合、隔絶された場所に置かれている場合など、遺言をしようとする人が、通常の平穏な生活状況のもとに置かれていないときに利用される遺言方式です。遺言者の生命の危険が急迫している状況にあることから、遺言者の最終の意思確認をするための要件が緩和されているなどの特徴があります。