Q 亡くなった父が負債を抱えていたことが判明しました。もっとも、父は預貯金などある程度の財産を持っていたこともわかっています。そのため、家庭裁判所で限定承認の手続きをとって相続を行う予定です。限定承認を行った場合でも、相続税を納める必要がありますか。
A 限定承認は、相続財産の範囲で、被相続人(亡くなられた方)の債務を返済するというものであり、通常は債務超過の相続に該当するため、相続税は賦課されません。
もっとも、相続財産等の調査の結果、被相続人の負債よりも、プラスの財産が多い場合には、当然、相続税が賦課されます。
また、限定承認を行った場合、その時点での時価で遺産を譲渡したものとして譲渡所得税がかかる場合がありますので、注意が必要です。
限定承認手続きは、家庭裁判所において、相続人全員で行う必要があり、実際にも手続きの件数は少ないようですが、限定承認を行う場合には、相続税等に税金に関する事柄も検討しながら行う必要があります。
弁護士法人ベストロイヤーズ法律事務所(千葉)
弁護士 大隅愛友(おおすみ よしとも)