Q 相続税対策として、養子縁組を行う方法があると聞いたことがあります。養子をとることによって、どのように相続税対策になるのでしょうか。
A 養子縁組は、さまざまな目的によって行われますが、ご指摘のように相続税対策として用いられることもあります。
なお、養子縁組には、元の親との親子関係がそのまま残る(養子縁組先の親との親子関係と併存)する「普通養子縁組」と、元の親との親子関係が失われる「特別養子縁組」がありますが、相続税を考える際には、いずれも同じに扱われます。
養子縁組を行うことが相続税対策になる理由としては、相続税の基礎控除制度、生命保険金の非課税限度額等が関係します。相続税の基礎控除制度においては、税額等の計算の際に、法定相続人の人数によって数字が変わり、その人数が多いほど優遇されることが一般です。
このため養子縁組により、子供の数が増えることにより、基礎控除の額も大きくなる効果が生じます。これが相続税対策としての養子縁組といわれるものです。
なお、租税回避のための養子縁組が行われることを防止するため、養子縁組を多数行い、そのすべてを相続税算定の際に考慮することは認められていないことに注意が必要です。
弁護士法人ベストロイヤーズ法律事務所(千葉)
弁護士 大隅愛友(おおすみ よしとも)