相続の調査(相続人の調査)の重要性

相続調査.png

1 相続人調査の重要性

相続人調査と相続財産調査の重要性.jpg

1-1 相続調査の種類

相続調査の種類.jpg

相続に際しては、大きく4つの調査があります。

(1)相続人の範囲(相続人調査

(2)相続財産の種類や価値(相続財産調査)

(3)遺言の調査

(4)その他関係する調査(遺言能力、財産管理能力)

このページではこのうち、(1)相続人調査を解説します。

【関連記事】遺言者が認知症なら遺言書は無効?有効?弁護士が徹底解説!

【関連記事】長谷川式認知スケールの遺言能力の鑑定とは?遺言書の有効性を見極める方法

1-2 相続の際によくある困りごと

相続の際によくある困りごと.jpg

相続人調査は思った以上に時間と労力を要します。相続人が多い場合やはっきりしていない場合、全員と連絡を取り合うのはなかなか骨が折れます。

もし遺産を分けてから新たな相続人が見つかれば、遺産分割協議をやり直さければいけません。

このような背景から相続人調査は弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士は法的知識を駆使して迅速かつ効率的に、相続人の特定から遺産分割までをスムーズに進めてくれますよ。

この記事では相続人調査の流れや、専門家へ依頼するメリットなどを解説します。

2 相続人調査

相続人の調査.jpg

2-1 相続人調査とは

相続人調査とは、亡くなった方の遺産に関する相続人を特定する手続きです。

被相続人の戸籍謄本などを出生から死亡まですべて取得し、正確な相続人のリストを作成します。

遺産分割協議を行う際にはすべての相続人の同意が必要となります。

もし相続人を見落としてしまうと遺産分割協議が無効になり、その後の手続きが複雑化します。

例えば、被相続人が以前の結婚で子どもをもうけていた場合など想定外の相続人が判明するケースも少なくありません。

「戸籍を調べなくても大丈夫だろう」と軽視せず、しっかりとした調査を行い、相続人を確定させることが重要なのです。

2-2 相続人調査の方法

相続人調査の方法.jpg

相続人調査は、被相続人の出生から死亡までの「除籍謄本」、「改製原戸籍謄本」、「戸籍謄本」を全て取得するとともに、相続人の戸籍を取得することにより行います。

相続人調査の際、戸籍、除籍を管理している市町村が複数にまたがり、予想以上に収集に手間を要することも少なくありません。

そのため、例えば、遺産分割するために預貯金を亡くなった方の口座から引き出す際には金融機関に、不動産の名義変更を行うためには法務局に、相続人であることを証明できるものを提出しなければ、手続きを行うことはできません。

また、戸籍を収集して、相続人を再確認することも必要です。

遺産分割が完了してから、実は会ったことのない相続人がいたという展開になっては大変です。

そういったことを防ぐためにも相続人調査は戸籍を収集することから始めましょう。

戸籍収集は、亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本を揃える必要があります。出生まで戸籍をたどっていく作業は、非常に難しい場合もあります。

何度も本籍地を移動している場合や、養子縁組になっている場合などは特に労力を要します。

【関連記事】養子縁組の相続|メリット・デメリットを弁護士が徹底解説!

また、代襲相続や数次相続にあたる場合、全く知らない人が相続人になることが判明する場合もあります。

【関連記事】代襲相続とは?相続の範囲やできるできない、トラブルまで詳しく解説

さらに、相続人の一部の方が行方不明になっているような場合もあります。

このような場合には、戸籍や住民票等の取得に加えて、家庭裁判所での手続き(不在者財産管理人、失踪宣告)等の手続きが必要となる場合があります。

【関連記事】相続人が行方不明で連絡取れない!相続が進まないときの対処法とは?

【関連記事】不在者財産管理人とは?音信不通の相続人がいるときの遺産分割協議を解説

2-3 兄弟姉妹が相続人の場合

兄弟姉妹が相続人になる場合は特に手間がかかります。

被相続人の父母の出生から死亡までの戸籍収集が必要です。

さらに、転籍した兄弟姉妹や、亡くなった兄弟姉妹の子(甥や姪)の戸籍も辿る必要があります。

2-4 相続人の確定

取得した戸籍の情報をもとに前本籍地の戸籍や関係者の戸籍を取得し、相続人が誰なのかを確認していきます。

この時、離婚・再婚、養子縁組などの漏れがあると遺産分割協議が2度手間になってしまうため注意が必要です。

最後に、相続関係説明図を作成します。

相続関係説明図とは亡くなった人と相続人との関係を図示したもので、相続人間の関係を一覧で確認できます。遺産分割協議の際、不動産名義の変更や預貯金の解約(払い戻し)などに活用します。

相続関係説明図に決まった書式はありませんが、生年月日や死亡年月日・被相続人との続柄の項目は必須です。

3 相続人調査を弁護士へ依頼するメリット

相続人調査を弁護士へ依頼するメリット.jpg

ご自身でも戸籍は集められますが、手間やミスを考慮すると専門家に依頼した方が安心できるでしょう。

ここからは相続人調査を弁護士へ依頼するメリットを紹介します。

ベストロイヤーズ法律事務所は相続人を徹底調査し、遺産相続問題を解決へ導きます。ぜひお気軽にご相談ください。

3-1 面倒な戸籍の取得を任せられる

戸籍謄本など関連書類を取得する作業は非常に手間がかかります。

被相続人の一生にわたる戸籍謄本を集めるためには複数の役所に申請しなければならず、個人で対応するには大きな負担となるでしょう。

弁護士なら「職務上請求」を活用して戸籍を取得可能なため、煩雑な手続きを代行してもらうことができます。

3-2 相続人の漏れによる遺産分割のやり直しを防げる

相続に詳しい弁護士は戸籍謄本を正確に読み解き、相続人を確実に特定できます。

つまり、相続人の抜け漏れによる遺産分割協議の無効ややり直しのリスクを回避できるのです。

複雑な家族構成や、連絡が取れない相続人がいる場合は特に専門家への依頼を検討した方が良いでしょう。

3-3 相続問題が解決するまでサポートしてもらえる

相続人や財産が確定した後も、弁護士は他の相続人との遺産分割協議を含むさまざまな相続手続きをサポートします。

相続はナーバスな問題であり、親族間でも意見の対立が生じやすいです。

【関連記事】遺産相続トラブルの兄弟間における事例7選|予防や解決策も詳しく解説

【関連記事】遺産相続での兄弟の割合とは?相続できるケースやトラブルを詳しく解説

弁護士に依頼すれば、交渉代理・遺言書の調査・相続放棄の手続きなど相続に関連する多岐にわたる手続きについて相談できるのです。

とくに、相続人が多く、遠隔地に住んでいたり、不仲・疎遠な人がいたりする場合、弁護士の存在は非常に心強いものとなるでしょう。

4 相続人調査のよくある質問

4-1 戸籍の取寄せにはどれくらい時間がかかりますか?

戸籍の取得は通常、1ヶ月から2ヶ月程度かかります。直接役所で手続きをすれば早く集まる場合もありますが、遠方の場合は郵送となるためその分時間を要します。

4-2 相続人調査の弁護士費用はいくらですか?

費用は事務所によって異なりますが、5万円から10万円程度が目安です。

相続の複雑さによって変動する可能性がありますので、正確な金額は直接確認することをおすすめします。

4-3 相続人の中に行方不明者がいる場合どうすればいいですか?

行方不明者がいても、相続人から除外することはできません。

もし行方不明者を除外して遺産分割を進めると、法的に無効となりますので注意が必要です。

戸籍や附票から生死や住所を把握しましょう。

アクセス

千葉事務所

千葉駅徒歩3分

千葉市中央区新町1-17
JPR 千葉ビル12階
詳しく見る